しずおかキャンパる

静岡はサッカーだけじゃない!男子プロバスケットボールクラブ「ベルテックス静岡」の試合を、学生記者の目線で

 静岡のプロスポーツといえば、真っ先に思いつくのがサッカーだろう。J1リーグに「清水エスパルス」、J2に「ジュビロ磐田」が活躍しており、さらにJ3には、「藤枝MYFC」、JFLに「アスルクラロ沼津」が控えている。だが、静岡はサッカーだけでなく、男子バスケットボールも昨今勢いを見せている。静岡には2018年に産声をあげ、近年バスケットボールの中でも最高峰のプロリーグBリーグに昇格をした「ベルテックス静岡」がある。彼らがいまバスケットボールで静岡を、そして静岡でバスケットボールを盛り上げようとしている。記者は、昨年12月5日にチームの本拠地である静岡市中央体育館での「横浜エクセレンス」との試合を、記者は観戦しに行った。その様子を学生記者の目線でまとめていきたい。

【静岡大学3年(しずおかキャンパる記者)・木村航輔】

試合前の様子

 記者は自転車で静大付近の下宿先からわずか約20分で、試合の開催地に到着することができた。すると静岡市中央体育館の外では、すでにファン(Bリーグの多くのクラブがファンをブースター(boost=後押しするが由来))が盛り上がっていた。身近な場所でこんなにワクワクするところがあるとは、静岡市在住2年9カ月目の記者は少し驚いた。


会場外からひしひしと伝わってくるこの盛り上がり

 そして、会場外ではグッズなど試合が開催される2〜3時間前から販売されている。グッズはファンや、試合を初めてみにくる人にもチームにより愛着を持たせるも重要なキーアイテムだ。

 また、顔にチームのロゴスタンプを押せるコーナーもあったり、子供たちがベルテックスの公式マスコット「ベルティ」のバルーン遊具で遊べるコーナーがあったりと、事前に身の回りをチーム色に染めてもらい、より試合をみんなで盛り上げていこうという運営者の熱意がひしひしと伝わってくる。そしてフードも会場外ではお祭り並みに充実していた。特に注目なのは選手が考案したおにぎり「エナジーボール」が発売されている。つまりこれを食して選手の気持ちにもなれるということだ。会場外のフードや、イベントはチケットを購入していなくても楽しめるため、試合をまず見る前に食事をしにきたということから入ってみるのもありだろう。

 そして記者が試合前の会場内に入ると、ベルテックスが攻めに入ったり、守りに入ったりするときに行う掛け声の練習を行なっていた。このような催しも初めて試合を見に来た人にとって突然何の掛け声かわからないってことがないような配慮であると感じた。

ついに始まる試合

 試合前にはすでにアイスブレイクされ温まっている観客席はベストコンディションと言ってもいいだろう。旗が会場を舞い、ベルテックス専属チアリーダーズ「ベルーナ」の鮮やかなダンスと共に、戦いの幕を切った。


チームの旗とチアリーダーズ「ベルーナ」の
華麗な舞で大会の火ぶたが切られる

 掛け声が会場内に響き渡るとともに、選手によってボールが動き始めた。早速練習がいかされていることに少し興奮した。ゲームを盛り上げるための練習とは会場がより一つになるためには欠かせないものだと感じた。先ほどの試合前の前戯も一種の試合の一部であるのだ。

ディーフェンス!ディーフェンス!(守りの掛け声)


守りの
ベルテックス

レッツゴーベルテックス!レッツゴーベルテックス!(攻めの掛け声)


攻めの
ベルテックス

 そして試合の熱気を感じるとともに、記者自身も、気が付けば試合に夢中になって観戦していた。試合が中断され、なんと観客全員がタオルを振り回しだした。これは東静岡駅前にある静岡市民だったら誰もが一度は使ったことがあるだろう銭湯「柚木の郷」が提供する「熱波タイム」という時間らしい。試合がすでに盛り上がっている状態のうえに、さらに盛り上らせるという会場をネーミングそのものにさせる上、勢いよくタオルを回した観客にはグッズが送られるらしい。回さずにはいられないイベントだ。


会場の観客が一体となって
タオルを回している様子

 全4クォーターのうち2クォーターの半分があっという間に終わってしまった。

(ベルテックスが行う試合では10分のゲームを4回行い、2回目と3回目にはハーフタイムという休憩時間が設けられている。)

 結果としては、ベルテックスは相手に7点をも許してしまっていた。

ハーフタイムショーで体力回復へ

 そして、会場は緊張感を残したまま、ハーフタイムショーが始まった。このような熱気を帯びた中で選手も観客も少し涼むこともできる。クライマックスのため体力を回復させることは重要だ。

 この休憩ショー、我らが静岡大学のダンス部が会場をすずませてくれた。


軽やかな音楽に合わせたダンスを行う静大ダンス部


軽やかな音楽に合わせたダンスを行う静大ダンス部

 ゆったりした音楽にあわせながらの軽々した踊り。ダンスというのはここまで癒し効果があるとは思ってもいなかった。

 見ているものの心をも踊らすダンスに感動を覚えたところで、2チームのマスコット「ベルティ」と「横浜エクセレンス」の「ピック」と「ロール」が、試合とは打って変わって仲良くレクリエーションを行なったり、コート内を回ったりし始めた。ファンとの交流も積極的に行っており、きちんとマスコットとしての仕事をしていた。


チームの垣根を超えたマスコットたちのファンサービス

 心も体も癒されたところで、先ほどの緊張感はどこへ行ったのか。気持ちを切り替えて後半戦に入った。まだ後半戦が残っているから追い上げも可能だという安堵する気持ちと、もしこれでさらに点数に差をつけられてしまったらという不安の気持ちが筆者に募った。しかし、この気持ちの混沌(こんとん)こそも試合の醍醐味(だいごみ)ではないだろうか。

再開する試合

 そして第3クォーターでついにベルテックスが相手に2ポイントの差を開けて、有利な状態となった。第3クォーター目時点の合計点も、第3クォーターの結果も初めて相手より勝る状況となった。記者は初めて「勝利」という言葉が頭の中で真っ先に浮かんだ。


「DANCE CAM」で一気にダンス会場へ一新する様子

 そんな灼熱した試合が終わった後、最初に会場を温めてくれた公式チアリーダーズ「ベルーナ」が衣替えして再登場し、またダンスを披露してくれるかと思ったら、観客の人たちまでも踊り出すではないか。これは流れる音楽と共にファンたちがダンスしてより盛り上がろうという「DANCE CAM」というコーナーだ。先ほどの「熱波タイム」の趣旨とはほぼ同じだ。これまた一番元気に踊った方には焼肉飯店「京晶園」から1万円分のお食事券が贈られるらしい。会場の盛り上がりは勝利を確実なものにさせることに向けて最頂点へ。ダンスが終わった後は最後の第4クォーター目である。


「スクリングショット」の様子

 第4クォーター目の終盤には「スクリングショット」と呼ばれるカウントダウンに伴った声出しで一番盛り上げた観客らには、バズーカのようなもので景品を贈るイベントが発生し、最後の最後でこれまた盛り上がった。だが、結果としては68対73という逆転を許してしまい「横浜エクセレンス」の勝利となってしまった。


試合後の電光点数表示

取材を終えて

 試合としては負けになってしまったが、何か熱いものが試合終了後も残った。このような体験をまさか近所で体験できるとは思わなかった。記者はスポーツを会場で観戦することが初めてだったが、この世にこれだけ夢中になれるものがあるのかと感動した。それぐらい初心者にも入りやすい没入しやすい試合だった。試合というより、途中の「熱波タイム」や「DANCE CAM」を含めると一種のアトラクションでもあると思う。

 今回記者が紹介した試合の内容、および会場の様子や企画はほんの一部であり、まだまだ紹介しきれていない魅力がたくさんある。ぜひテレビや小さなスマホの画面といった遠隔でしか試合を見ないという方はもちろん、静岡に在住する皆さんでこの非日常を求めたい、新たな趣味を見つけたい方はまずは是非「ベルテックス静岡」の試合に足を運んでみていただきたい。きっと虜になること間違い無い。

【メモ】

ベルテックス静岡

 静岡市を本拠地とするプロバスケットボールクラブ。2018年に創設し、2023年からはリーグとしてはB2西地区というプロチームに成長した。2025-26シーズンのクラブスローガンは「NOBREAK!」として、バスケの世界を、そして静岡を盛り上げている 。

【公式ホームページ】

【公式】ベルテックス静岡/VELTEX SHIZUOKA
B.LEAGUEに所属・静岡県の男子プロバスケットボールクラブ

【公式X】

【公式インスタグラム】

Instagram

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