東京都議選から見る津田塾大学生の選挙に対する意識調査
6月22日に実施された東京都議会議員選挙について、うめキャンパるでは、津田塾大学総合政策学部の「時事問題特論」履修者39人を対象に、選挙に関する意識アンケートを行った。
都議選の投票率は約4割、参院選は7割超が行く予定
調査によると、投票に「行った」と回答した学生は37.8%。理由として、「投票権を持っているのに行かないのはもったいない」「投票権を行使すべきだと思う」など、主権者としての意識を反映した回答が目立った。また、「特定の政党に関心があった」「少しでも良い候補者を選びたかった」といった意見も見られた。
一方、選挙に「行かなかった」とした学生は21.6%。主な理由には「テスト勉強で忙しく、忘れていた」など、日常生活の多忙さを挙げる声が多かった。
さらに、最多の40.5%は「選挙権がなかった」と回答。住民票を実家などに残したままにしていたため投票所入場券が届かず、選挙に参加できなかった学生が多かったとみられる。

さらに今回の調査では、今夏に予定されている参議院議員選挙への投票意向についても尋ねた。投票に「行く予定」と回答した学生は71.1%にのぼり、「生活がかかっているから」「政治に無関心ではいられても、無関係ではいられない」といった、政治への当事者意識を強くにじませる回答が多く見られた。
一方で、「行かない予定」とした学生は15.8%にとどまった。その理由としては、「時間がない」「住民票が実家のままのため投票できない」など、制度上の制約や生活上の都合が挙げられた。

情報収集の方法はオールドメディアとソーシャルメディアが同率
併せて、政治に関する情報収集の方法についても選択式で尋ねた。結果は「テレビ」と「SNS」がともに28.9%で最も多く、次いで「選挙公報」が15.8%となった。オールドメディアとソーシャルメディアの影響力が拮抗していることを示す結果となった。

政治や選挙について周囲と話す学生が過半数に
同調査では、政治や選挙について家族や友人と話す機会の有無についても尋ねた。「よくある」「たまにある」と回答した学生は合わせて65.8%にのぼり、過半数を占めた。日常会話の中で政治を話題にする学生が一定数存在しており、若年層の政治意識の高まりをうかがわせる結果となった。

多くの学生が、自ら情報を収集し主体的に判断
候補者を選ぶ際の基準についても複数回答で尋ねたところ、最も多かったのは「公約の内容」で、全体の約8割にあたる学生が選択した。次いで「政党」が44.7%、「家族や友人の意見」は21.1%にとどまった。自ら情報を収集し、主体的に判断して投票先を選ぶ学生が多いことがうかがえる結果となった。

若年層の投票率への高い問題意識と選挙制度改革の必要
最後に、選挙に対する思いや考えについて自由記述形式で尋ねたところ、「若い世代の投票率がより高くなってほしい」といった若年層の投票行動に対する問題意識や、「もう少し選挙をしやすい環境を整備すべきだ」といった制度改善を求める声が多く寄せられた。また、「知識がなさすぎて何から始めればよいかわからない」といった意見もあり、政治教育の充実が求められていることもうかがえる。
今回の調査を通じて、政治に対して強い関心や主権者としての義務感を持つ学生が多い一方で、選挙に対して「何をすればよいか分からない」と戸惑う声も一定数見られた。また、住民票の所在によって投票ができなかったという回答が多かったことから、オンライン投票の導入を含め、若年層の投票率向上に向けた制度の再設計が求められている。
調査は、グーグルフォームを利用した。スマートフォンからQRコードを読み込み、アンケートに答えてもらった。回答率は約65%。